私は、阪神淡路大震災が起きた1995年当時165世帯の新築マンションの初代理事長でした。以来マンション防災担当として取り組んできた資料の例案を公開します。
私が住むマンション管理組合HP メイツ大森西管理組合HP
〇〇マンション地震コミュニティ・タイムライン例 PDF版 Excel版
〇〇マンション風水害コミュニティ・タイムライン例 PDF版 Word版
1、マンションの防災コミュニティとしての特殊性
・1981年以降のマンションなら倒壊はない比較的安全な住居。以前のマンションなら迷わず診断と耐震。
・消防法による防火防災計画、防火管理者、消火設備がある。耐火構造。(戸建て地区にはない)
・区分所有法による理事会組織があるコミュニティ。堅牢な建物で独立した単位。
2、地震災害時のリスク
・旧耐震なら生命の危険も。新耐震以降なら倒壊による死のリスクは少ない(熊本地震例)
・地震火災は倒壊家屋から出ることが多いので、火災リスクは比較的少ない。火災報知器が鳴動する。即時通報、近隣上階避難、各階から消火器を持参し、初期消火を。初期なら家から侵入して消火も想定。
・生命にかかわる最大リスクは家具転倒による負傷、脱出困難、ガラス・食器による負傷。震災孤独死。家具下敷き等確認できれば隣家から侵入して救出も想定。
・停電すれば、断水。首都直下型地震で東京湾岸火力発電所が損傷すれば長期ブラックアウト。
・躯体に損傷あれば、ドア開かない。開けたら閉まらない。下水道の損傷も。
3、多くのマンションが抱える課題
・住民間の人間関係の希薄さ。 親睦行事一つでも変わる。
・理事会、自治会の役割分担。毎年代わる人員。管理会社任せ。住民組織不在・・ 組織・役割分担明確化を。
・高齢化 単身生活者 賃貸居住者の増加
・災害時の指針が不在 自宅にいるべきか避難所に行くべきかわからない。 周辺大火災時の避難は?
4、マンション防災の方針
・自宅の絶対安全スペース化推進 家具固定 ガラス・食器対策 トイレ対策 循環備蓄 ガスコンロ
・安否確認体制 コミュニティとして震災孤独死を出さない共助体制
・基本的に自律したコミュニティとして籠城作戦
・地域への貢献 避難場所等(火災・水害からの緊急避難場所)
5、マンション災害対策本部の開設
・震度6弱以上又は震度5強以上、停電、被害発生で開設するタイムラインを決めておく
・管理室から館内放送で安否確認等をできる訓練
・被害想定に対応した組織で思考訓練 本部 情報班 救出・消火班 救護班 生活物資班 等
・地震・水害タイムラインを参画型で検討 訓練実施 反省 新年度取組計画
・管理会社・管理人との連携 マンション復旧総会までの見通し
・安否確認訓練、近助訓練 救出、救護、消火、負傷者搬送、発電投光、トランシーバー伝達、給水等
6、マンションの備蓄 長期間ブラックアウトを想定
・救出関係 バール、発電機、投光器、ライト付きヘルメット、軍手・革手、救急セット、ノーパンク車椅子
・生活関係 夜間照明 受水槽からの給水ポンプ 塩素濃度測定セット 非常時トイレ等 リヤカー
・食料備蓄はしない?自助力の向上が第一。各マンションで協議を。
7、マンションとして検討、共有したい防災計画等 共助組織による自助力向上
・マンション「地区防災計画」
・マンションタイムライン(地震・風水害)
・居住者防災マニュアル