関東大震災、阪神淡路大震災を経て、日本の建築物の耐震性はかなり向上しました。また、耐火性も向上させた家が増えていく一方、耐震性の低い建物、民家の密集状態を見ると、暗澹(あんたん)たる気持ちになります。
東京、横浜、名古屋、大阪、神戸などの地盤が悪くて民家やビルが密集しているところで、大地震が起きた場合に、最も懸念されるのは同時多発の地震火災です。
阪神淡路大震災は、風がだいぶ弱かったのですが、関東大震災時は、能登半島を台風から変わった熱帯低気圧が移動しており、東京、横浜も、強風下にありました。
一度、火災がフラッシュオーバー(天井まで達して、一部屋が爆発的に燃え出す状態)となったら、耐震性のある家でも10分ほどで丸ごと焼けてしまいます。
密集状態で、強風があると、一件焼ければ、延焼阻止はたいへん困難です。
糸魚川市大火は、それでも死者が出なかったのは、ご近所の共助で避難誘導ができたことであることを、当時苦闘した消防団長さんから聞きました。
しかし、住民による初期消火活動という点では、反省が残ったようです。
阪神淡路大震災でも、初期消火活動をする人が少なかったという報告があります。
果たして、地震が起き、3件先で火災がでたら、「自分が消しにいく。」という意識の人がどれだけいるでしょうか?
火災の原因は、ラーメン店の店長が火をかけたまま外出。(日常的に)火災を発見したが、ホースで放水。消火器はあったのに使用しなかった。
二階に火が達したので、脱出し、近隣の人に119番通報を依頼した。
近隣住民による初期消火は行われなかったし、最後まで、住民による消火活動は「あまり行われなかった。」と報告されています。