安全教育の第一歩は、登下校から始まる。
登下校は児童生徒の1日の中でも危険のある時間帯であろう。教師も保護者もいない街中を行動するので、自助・共助の力をしっかりつけるとともに、人に迷惑をかけないマナーの指導が必要である。
しかし、ともすると、登下校のルールなるものは、何十年前から「入学のしおり」に書かれていることの他なく、職員も全員が理解していなかったり、見守りのために立っていただいている「見守り隊」などの地域の方も理解していなかったりすることがある。そこで、次のような登下校のしおりを職員、PTA、見守り組織の皆様とも協議の上作成して運用した。
参考例を掲示する。
当たり前のことが書いてあるようだが、大人も誤って理解しているようなことを、根拠をもとに示している。
「青の点滅」は「注意して進め」?
黄色信号や青信号の点滅はを「注意して進め」と覚えている大人が多い。また、点滅が始まるとダッシュして渡る大人が多く、悪い見本を示している。
青信号の点滅=「歩道にいたら、渡り始めてはいけない。点滅が始まって渡れそうなら渡ってよし。渡れそうもなかったら戻る。」と道路交通法にある。
一度教えると、子供たちは自分で判断して点滅が始まったら自主的に渡らない子どもたちに育つ。
今日、大人も子どもに注意するのをためらうという。
ともすれば、「聞いていない!」とか、実際に学校でも指導されていなければ、児童の納得のいかない反応もある。
そこで、このように、学校、保護者、地域で共通理解をしたものを共有することは、みんなで子どもを育てる上で大切なことだ。
また、自然災害に対する対応も、基本的に、まず職員や保護者、地域の大人が理解し、異口同音に指導する中に、みんなの「防災リテラシー」が育つ。
この文例は2017年に配布されたものがが、2018年には「大阪北部地震」で登校中の小学生がブロック塀の下敷きになって亡くなる悲劇が起きている。
4ー(3)ア イには、通学路のブロック塀に対するマニュアルも提示している。
登下校安全のしおり作成のポイント
1 当たり前のことのようだが、学校職員、保護者、地域が基本的な事項を「リテラシー」として共通理解していくプロセスが大切である。職員会議、PTA役員会、校外委員会、運営委員会などで参画して、保護者も考え、成長した成果として共有したい。
2 大人が一致して、根拠を持って指導すると、子どもは根拠を大切にして、自律的に行動しようとする。
小学校登下校安全のしおり(例)PDF
小学校登下校安全のしおり(例) WORD